2026/04/17
キャンセル料の可否について
横浜市港南区港南台にあります医療法人Dental Community 理事長 吉田です。
六月の保険改正に関わる厚生省の発表の話についての私見を述べさせていただきます。
近年、医療機関にも"予約の価値"が強く問われる時代になってきました。今回の制度見直しでは、患者さん都合による直前キャンセルについて、一定の条件のもとで費用徴収が認められる方向が明確に示されました。これは、医療がサービス業化したから何でも料金化する、という話ではありません。むしろ、限られた診療時間・人員・設備を、本当に必要な患者さんへ適切に届けるための整理だと私は考えています。
歯科医院の予約枠は、単なる席の確保ではありません。歯科医師、衛生士、助手、受付がその時間のために準備をし、器材を整え、他の患者さんの予約機会を調整して成り立っています。直前キャンセルが増えるほど、その影響は医院経営だけでなく、真面目に通院してくださる患者さんにも及びます。だからこそ、キャンセル料は"罰金"ではなく、"予約という約束を皆で守るためのルール"として考える必要があります。これはサービス業として見ても自然ですし、医療機関として見ても、医療資源を適正に守るために必要な発想です。
一方で、医院側にも覚悟が必要です。徴収する以上、説明は明確に、金額は妥当で、掲示もわかりやすく、運用は公平でなければなりません。曖昧な名目や感情的な対応は許されません。スタッフも「取りやすいから取る」ではなく、「大切な診療枠を守るために丁寧に伝える」という姿勢へ変わる必要があります。患者さんにも、「予約は無料でも、無価値ではない」という認識を持っていただく時代です。制度に背中を押された今こそ、私たちは"優しさのある厳しさ"を持ち、医療の質と信頼を守っていくべきだと思います。
なお、検討段階の厚労省資料では、キャンセル料を認める趣旨として「予約枠の機会損失」が挙げられ、傷病が治癒したことによるキャンセルは除く考え方も示されていました。最終通知本文にはその文言はそのまま入っていませんが、制度趣旨を考えるうえでは参考になります。
六月まであと少し、、、、検討は最終段階に入ってきました。よろしくお願いします。
