2025/11/03
怒涛の11月スタート
横浜市港南区港南台にあります吉田歯科クリニック 院長吉田です。11月の初旬は、来年一月のインプラント研修の打ち合わせで、メルボルン。そのあとWCUPSの学会でフィリピンに。戻ってきたその足で、都内で一隅会の発表と怒涛の日々を過ごす予定です。
そして、メルボルンに来て、改めて日本の歯科医療の"異常な安さ"を実感しました。こちらではラーメン(一風堂さん)+唐揚げ大で5500円。
そんな中で歯の治療費はというと、1本のクラウン(被せ物)が平気で15万円以上します。材料費も人件費も桁違い。それでも歯科医院は成立しています。つまり、社会全体が「医療にコストを払う文化」を前提に動いているような気がします。
一方、日本では金属価格の高騰でメタル修復の原価が上がっているのに、保険点数は据え置き。材料を変えようにも保険制度がそれを認めない。現場では"赤字でもやらざるを得ない"という構図が広がっています。
これでは、どれだけ働き方改革を進めても、診療報酬との乖離は広がる一方です。つまり「ホワイトな勤務」を求めれば求めるほど、経営はブラックに傾く。この矛盾が、当院にも重くのしかかっています。。。。
解決策はあるのか???院長、経営者、個人としては「選択」と「価値の共有」だと思います。すべてを保険でまかなうのではなく、患者さんと一緒に"より良い選択"を考える。
長期的に健康を守る治療に投資する価値を、正しく伝える。スタッフにも、「効率よく働く」だけでなく、「価値ある医療を提供する誇り」を持ってもらう。歯科医院が"点数を稼ぐ場所"から、"健康をつくるチーム"に進化することが求められています。
日本の歯科も、制度に縛られながらもその方向へシフトする時期に来ています。患者もスタッフも、そして私たち歯科医師も、「がんばれ」ではなく「変わろう」と言える勇気を持つ。それが、これからの時代の"ホワイトな医療"の第一歩になるのではないではないかと考えています。
