2025/06/08
お金がかからない医療制度がおこしている問題
最近、初診や定期検診の際に「レントゲンは撮らないでください」「検査はしたくありません」とおっしゃる患者さんが時折いらっしゃいます。
お気持ちはわかります。放射線が気になる方もいらっしゃるでしょうし、検査に対する不安や過去の経験からそう思われることもあるかもしれません。
しかし、私たちは**「感覚」ではなく、「根拠」に基づいて診療をしています**。
症状がなくても、隠れたむし歯や歯周病、顎の骨の異常、根の先の病変などは、目に見える範囲だけでは判断できません。それを見つけるためにレントゲンや検査が必要なのです。
そして大切なことは、診断と治療の方針を決めるのは医療者の責任であり、役割であるということです。
もちろん患者さんの不安や意見には丁寧に耳を傾けますが、「やる・やらない」を患者さんが自由に決めるだけの場所ではありません。
私たちが行うのは「ルールに基づいた保険診療」です。
その中で定められた基準に沿って、必要な検査・診断・治療を行わなければ、医療としても、保険制度としても成立しません。
どうしても納得がいかない、自分の希望する診療方針だけを通したい、という方は、当院の方針とは合わないかもしれません。
その場合は他の医院を選ばれるのも、ひとつの選択肢だと思います。
私たちは、大切な時間とお金を使って通ってくださる患者さんに、誠実で正確な医療を提供したいと心から思っています。
そのために、信頼とルールに基づいた診療を、これからも丁寧に積み重ねていきます。